2025. 07. 29
物件探しをする際に、「駅からの距離」や「間取り」「家賃」などと並んで、気になる条件のひとつが「築年数」ではないでしょうか。新しい物件=キレイで安心というイメージから、築浅物件を優先して探す人も多いですが、実は築年数だけで物件の良し悪しを判断するのは早計です。
築年数が経っていてもリノベーション済みで内装が綺麗な物件や、管理体制がしっかりしていることで快適に暮らせる物件も多数あります。さらに、築古物件には家賃が抑えられるといった大きなメリットも。
この記事では、「築年数」にまつわる基礎知識から、物件選びのチェックポイント、築古物件の活用法までをわかりやすく解説します。
1. 「築年数」ってどういう意味?知っておくべき基本知識
築年数とは、建物が完成してから何年経っているかを示す年数です。広告では「築3年」「築20年」などと表記され、「築浅」「築古」といった言葉もよく使われます。
新築:完成から1年未満かつ未入居の物件
築浅:一般的に築3〜5年以内
築古:明確な定義はありませんが、築30年以上の物件を指すことが多い
また、築年数とよく並べて語られるのが「法定耐用年数」。これは税務上の減価償却に用いられる年数で、以下のように構造によって異なります。
構造
法定耐用年数
木造(W造) 約22年
鉄骨造(S造) 19〜34年(鉄骨の厚みによる)
鉄筋コンクリート造(RC造) 約47年
鉄骨鉄筋コンクリート造(SRC造) 約47年
ここで注意したいのは、法定耐用年数=建物の寿命ではないということ。きちんと管理・修繕されていれば、築50年以上の建物でも快適に住めることがあります。
2. 築年数によって違う「住み心地」や「設備」の特徴
築10年以内:最新設備が揃っている
築浅物件の魅力は、なんといっても現代のライフスタイルに対応した設備。オートロックや宅配ボックス、モニター付きインターホン、浴室乾燥機など、便利な設備が最初から備わっていることが多く、快適に暮らしたい人にはうってつけです。また、設備機器の故障リスクも低く、メンテナンスの心配も少なめです。
築20年以内:耐震基準をクリアしつつ家賃も手頃
1981年6月の建築基準法改正によって「新耐震基準」が導入されました。そのため、1982年以降に建てられた建物は、震度6強〜7でも倒壊しないことを想定して設計されています。また、2000年には木造住宅の耐震基準も強化されており、木造アパートを検討する場合は「2000年以降築」が安心材料になります。
築30年〜:家賃が安く、選択肢も豊富
築年数が30年を超える物件は、「古い=住みにくい」と敬遠されがちですが、実は家賃が安く、リノベ済みの掘り出し物も多いのが特徴です。「多少古くても、家賃を抑えて広い部屋に住みたい」「駅チカがいい」など、他の条件を優先したい人にとっては、最も現実的な選択肢になることもあります。
3. 築年数が古くても快適な物件の見分け方
管理がしっかりしているか
築年数よりも大切なのが「管理の良し悪し」。共用部が清掃されているか、ごみ置き場が整理されているかなどをチェックすれば、その物件の管理体制がわかります。
リフォーム・リノベーションの有無
内装や設備が新しくリフォーム・リノベされていれば、外観は古くても快適に暮らせます。特に水回り(キッチン・バス・トイレ)は重点チェックポイントです。
構造・耐震性に注意
旧耐震基準の建物でも、耐震補強がされている物件もあります。入居前に管理会社やオーナーに確認してみましょう。RC造・SRC造の建物は防音性・断熱性にも優れており、築古でもおすすめできることが多いです。
築年数だけで判断しない、納得の物件選びを
築年数は物件の特徴を知るうえで大切な指標のひとつですが、「新しいから安心」「古いからNG」と一概には言えません。リノベーションや管理状況によっては、築30年以上でも新築同様の快適な暮らしが手に入ることもあります。
むしろ、「家賃を抑えたい」「広い部屋に住みたい」「駅近を重視したい」といった条件がある人ほど、築古物件は選択肢を広げてくれる存在です。内見の際は築年数だけでなく、構造・管理・設備までしっかりチェックして、自分のライフスタイルに合ったベストな一部屋を見つけてください。
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